365体育备用网址_365体育博彩-直播|官网
学生活動
私の留学レポート:アメリカ?ディキンソンカレッジ~高橋慶さん(1)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生とともに履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、アメリカに留学中の高橋慶さんのレポート第1弾をご紹介します。
こんにちは!愛知県出身で2023年春入学の高橋慶です。現在はグローバル?コネクティビティ領域に所属しています。これから3回にわたって私の留学レポートをお届けします。これから留学を考えているみなさんに少しでも参考になれば嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!

多角的に学問を探求したいという思い
私は、アメリカのペンシルベニア州カーライルに位置するディキンソンカレッジ(Dickinson College)に留学しています。1783年に設立された歴史ある大学で、学生数は約2,000人。少人数制のリベラルアーツ教育が徹底されており、46の専攻分野を持つ多彩なカリキュラムが魅力です。カーライルは、アメリカのローカルな雰囲気が漂う、落ち着いたカレッジタウンです。
AIUの交換留学制度では、一部の大学を除き、留学先での授業料が免除されますが、ディキンソンカレッジでは授業料に加え、寮費と食費も免除されており、経済的にもありがたい環境で学ぶことができています。
もともと英語以外の言語を習得したいという思いがあり、ヨーロッパ圏への留学も検討していました。しかし、英語圏へ留学することで専門性の高い授業を受け、よりアカデミックな議論の中で自分を鍛えることができると思い、アメリカを選びました。アメリカの提携校の中でも、ディキンソンカレッジはリベラルアーツ?カレッジとして、幅広い分野の授業が開講されています。加えて、少人数の授業で他の学生や教授と密にコミュニケーションを取ることで自分にない視点に触れ続け、多角的に学問を探求できると思い、留学先に選びました。
価値観の多様性がもたらす体系化された学び
現在は哲学や心理学を中心とした人文?社会科学系の授業を履修しています。どの授業も少人数で行われており、教授だけでなく学生同士も積極的に意見交換しながら進んでいくのが特徴です。たとえば「Culture and Psychology(文化と心理学)」という授業では、西洋に多く見られる個人主義と、東洋に多い集団主義という価値観の違いについて学びました。さらに「Ethical Theory(倫理理論)」の授業では、「幸せとは何か」という問いをめぐってディスカッションが行われましたが、その中で、アメリカの学生が「個人としての幸福」に焦点を当てているのに対し、私は「周囲との関係性」を含めて幸福を考えていることに気づきました。こうした気づきから、異なる授業で学んだ内容が互いに結びつき、自分の中で学びが体系化されていく感覚を実感しています。また、異なる価値観を持つ人たちに囲まれることで、それまで当たり前だと思っていたことを見直すきっかけにもなり、今まで気づかなかった自分自身の考え方や価値観に触れることができました。また、日本語の授業でティーチング?アシスタントもしており、日本語学習者の視点から母国語を改めて考えてみたり、アメリカの学生がどのように日本の文化を見ているのかを知ることができたりと、貴重な経験ができています。

自ら踏み出す一歩が留学生活を豊かにする
留学生活を通して強く感じているのは、自分から行動することの大切さです。初めての海外生活で分からないことや戸惑うことがたくさんありました。慣れない環境での新しい挑戦の連続でしたが、そんな中でも、自分から一歩踏み出せば必ず誰かが手を差し伸べてくれることを何度も実感しました。ディキンソンカレッジは小規模な大学ということもあり、学生一人ひとりへのサポートがとても丁寧だと感じています。不安を感じたときに教授に相談に行くと、親身になって話を聞いてくれました。トラブルで寮の部屋に入れなかった時や、希望していた授業が満席だった時など、柔軟に対応してもらえました。学外でも地域の人々はとても温かく、スーパーで買い物をしていた際に自分が留学生だと伝えると、一般のお客さんでさえ親切に話をかけてくれるなど、多くの場面で優しさに触れることができました。
このような経験を通して、自分でアクションを起こすことがどれほど大切かを実感しました。それは困ったときだけでなく「何かに挑戦してみたい」と思ったときにも同じです。受け身でいるのではなく、自ら機会をつかみにいく姿勢が、留学生活をより豊かにしてくれると実感しています。
一つひとつの経験に真剣に向き合いたい
この1年間、私はすべてのことに全力で取り組みたいと思っています。授業はもちろん、課外活動や地域での交流、友人とのコミュニケーション、町の散策や観光等、やりたいことが次から次へと出てきて、既に時間が足りないほどです。すべてを体験し尽くすのは難しいかもしれませんが、一つひとつの経験に真剣に向き合い、全力で楽しみたいと思っています。
特に嬉しいのは、哲学という自分が夢中になって学べる分野に出会えたことです。本を読んで「こう書いてあるけれど、自分はどう感じているんだろう」と考えたり、他の学生の意見を聞いて「そんな考え方もあるんだ」と気づいたり、毎回の授業が新しい発見の連続で、わくわくしながら学んでいます。また、ディキンソンカレッジがあるカーライルは、フィラデルフィアにも近く、少し足を延ばせばニューヨークやワシントンD.C.にも訪れることができる場所にあります。キャンパス内にはヨーロッパ系やアジア系など、さまざまなルーツを持った学生が集まっていて、多様な価値観に日々刺激を受けています。今後はクラブ活動やイベントにも積極的に参加し、自分の視野を広げていきたいと思っています。留学が終わってから「あれもやっておけばよかった…」と後悔しないように、毎日を大切に、悔いのない一年を過ごしたいです。
これからの自分をつくる発見と経験
留学は、慣れない新しい環境の中で過ごすことになります。思うようにいかず、モヤモヤしたり、イライラしたりすることも少なくありません。逆に「これ面白い!」と、今まで気づかなかった自分の新たな一面に出会えることもあります。そんな時が、自分と向き合うチャンスだと思います。ふと立ち止まって「どうして今イライラしているんだろう」「なんで今こんなにわくわくしてるんだろう」と自分に問いかけてみると、毎日の中にたくさんの発見と成長があることに気づきます。これは留学に限った話ではなく、日常の中でも同じことが言えると思います。「なんでこの大学に行きたいんだっけ」「なんでこの勉強がしたいんだろう」といった問いを自分に投げかけることで、自分が本当にやりたいことが見えてきます。そしてそれが見えたとき、多少の困難も乗り越える力になるはずです。
留学は、自分と向き合い、自分の新たな一面に出会える貴重な機会です。異なる文化や価値観を持った人たちと関わる中で、うまく伝えられずもどかしさを感じることもありますが、その一方で「そんな考え方もあるのか」と新たな視点を得ることもできます。だからこそ「自分と向き合う時間」を大切にして、留学中の気づきを得たのち、それがこれからの自分をつくっていく大きな力になると思います。
国際センターから一言
アメリカ留学と聞くと、生活費や学費等の費用が他の国より高いというイメージが強いかと思います。しかし一方で、アメリカの高い教育水準が世界的に認められており、世界的に著名である教授からの講義を受けられること、受講できる科目が非常に多様であること、またキャンパスの生活がとても豊かであることなど、アメリカの大学で学ぶメリットはたくさんあります。
ディキンソンカレッジと本学との協定により、ディキンソンカレッジに留学するAIU生は留学費用の大部分を占める寮費と食事代が免除されます。生活費は比較的高額なままですが、この制度によりAIU生の経済的な負担が軽減され、学業に専念することができます。今回、高橋さんがこの貴重な機会を利用して充実した留学生活を送られていることが分かり、国際センターも嬉しく感じています。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。